
中島裕翔が「CP+2026」でカメラ&写真愛をとことん語る!Sony×中島裕翔×MEN’S NON-NO『GAROU』スペシャルステージレポート
俳優 中島裕翔 氏
念願のステージが実現!
中島裕翔さんのカメラや写真への愛情と熱意、それに伴うプロ顔負けの知見や技術は、メンズノンノ読者にはおなじみだろう。今回、メンズノンノウェブでの写真連載『GAROU』や、1st写真集『Hue I am』の制作において、裕翔さんがSonyのデジタル一眼カメラの“αシリーズ”を愛用していたことをきっかけに、「コラボレーションしませんか」とSonyからのうれしいお誘いが。なんと、世界最大のカメラの祭典である『CP+2026』のSonyブース内、スペシャルステージにセミナー講師として登壇することに! 裕翔さんが著名な写真家や映像作家の皆さんと肩を並べてラインナップされ、カメラの楽しさや、写真を撮ることの魅力を存分に語るという願ってもない機会に、裕翔さんとメンズノンノチームの感動もひとしお! そんなステージレポートと、登壇後の興奮冷めやらぬ裕翔さんのインタビューをあわせてお届けします。趣味の域をはるかに超え、いちフォトグラファーとしての活動と言えるほど才能を開花させている裕翔さんのこれからにも注目です。
セミナーステージのレポート完全版をお届け!
――本日はCP+2026ソニーブースにお越しいただきまして、誠にありがとうございます。このステージでは、俳優の中島裕翔さんによるスペシャルセミナー「中島裕翔×メンズノンノ『GAROU』スペシャルステージ」をお届けいたします。大きな拍手でお迎えください、中島裕翔さんです。中島裕翔さん(以下、中島):よろしくお願いします。こんにちは! うわ! 盛り上がってる。すごい!――この4日間、一番の盛り上がりです。中島:本当ですか。皆さんのおかげです(サムズアップ)。ありがとうございます!――さあ、まず最初に中島さんについてご紹介をさせていただきます。
それでは中島さん、本日はよろしくお願いいたします。今回はこの「CP+」という国内最大級のカメラ系展示会にお越しいただきましたが、カメラや写真のこういったトークショーへのご出演は今まであったんでしょうか?中島:いえ、初めてです。初めてがこんな大規模のイベントでもう感動しております。――お客様に囲まれて、本日は思う存分、カメラ愛、写真愛を皆様にぶつけていただければと思います。まずは、カメラの愛用歴が15年以上とのことですが、そもそもカメラにハマったきっかけは何だったのでしょうか?中島:そうですね、そもそもガラケーを使っていた時代にさかのぼります。携帯電話で撮影ができるようになっていく中で、“自分は写真を撮るのがけっこう好きだな”と気づいたんですよね。そこから中学生、高校生ぐらいになって、自分のちゃんとした一眼が欲しいって思うようになって。まだ一眼レフとは何であるかとか、ミラーレスの意味もよくわかっていませんでしたが、初めて自分で買いました。当時はミラーレスが出たてだったので、そちらを選んで、風景ばっかり撮っていたんです。そこからどんどん自分の活動の中にもカメラがきっかけでつながっていくことがあったりして、ずっと好きですね。――ずっとカメラが好きで写真を撮り続けてきたということですね。特に愛用されているのは、どのモデルになりますか。中島:僕が今愛用しているのは、Sonyのαです。以前は“Sシリーズ”も持っていたんですが、高解像度モデルのほうに惹かれて、今は“Rシリーズ”を使っています。やっぱり風景などを撮って後でちょっとクロップ(画像の切り取り拡大)したときに、高画素だとすごく助かるなっていうことがあるので。今日持ってきたのが『α7R V(アルファ セブンアール マークファイブ)』ですね。で、レンズは24-70mmをつけています。
――さあ、今回のこのステージは、「メンズノンノ『GAROU』スペシャルステージ」ということですが、中島さんの写真好きが高じて、メンズノンノウェブで写真の連載『GAROU』を2024年から始められたということですが、どういった経緯で企画が生まれたんですか?中島:いやー、写真好きからしたら、もう本当にありがたい企画だなと思って。――うれしいですよね。中島:うれしかったですね! メンズノンノでは8年間レギュラーモデルを務めたんですが、その中で“カメラ好きなんです!”ということは撮影のときなどにずっとお話ししていました。それもあって本誌に自分が撮った写真を掲載していただいたこともありましたが、ゆくゆくは写真集とか、僕の写真にまつわる企画を本格的にできたらいいね、みたいなことを編集部の方が話してくださっていて、ようやく叶った連載なんですよね、実は。――そうして形になったんですね。この『GAROU』では、主にどういった作品を撮影、発表されてるんでしょうか?中島:そうですね、やっぱり自分が切り取った視点をお見せしたいなという気持ちがあったので、基本的にはストリートスナップが多いですね。――ウェブ上のページではあるんですが、実際のギャラリーのようなレイアウトなど、こだわりが詰まってるんだろうなというのがすごく伝わってきます。何か大切にしてることがありましたら教えてください。中島:連載を始めるにあたって、どういうデザインがいいかなという話になったとき、今おっしゃってくださったように、実際の写真展みたいにしたいなと思ったんです。それで提案したことのひとつに、「自分が撮った写真が額に入って飾られたデザインで、インデックスを作ったらどうでしょう」というものがありました。写真を撮って、それをポンッと編集部にお渡しするだけじゃ自分的にもちょっとつまんないなと思っていたんで、そういったデザインのアイデアまで少し言わせていただいてるんです。
自分の足で歩きながら捉える“光”
――デザインまでこだわることで、この見応えのある連載になってるんですね。それではここからは実際に『GAROU』に掲載された作品を皆様と一緒に拝見しつつ、いろいろとお伺いしていきたいと思います。今回は様々な時間帯の“光”をとらえた作品をご用意いただきました。まずはこちらです。柔らかな光が印象的ですが、どういった1枚でしょうか?
中島:こちらは朝の光を写したのですが、風景の写真を撮るときの自分の癖みたいなものが、すごく出た1枚だなと思います。やっぱりどうしても光にフォーカスを当てたくなるというか。なのでこの写真はかなりピン浅にしていて、(立ち上がって手前の道を指さし)もうここしかピント合ってないんですよ!(笑) Sonyのαにオールドレンズを組み合わせて撮った1枚なのですが、光に包まれた柔らかい印象で撮りました。――撮影となると、まずどこで撮ろうかという話にもなると思いますが、この『GAROU』の中では、どのようにして場所を選ばれているんでしょうか?中島:やっぱり僕は光というものがとても好きなので、光がきれいな場所を目当てに撮影しに行きたいと思っています。だからそういうところを見つけて自分から提案することもありますし、逆に編集部から“こんな場所もあったよ”って教えてもらったりもして、すごくフレキシブルに話し合いながら決めているんですよね。実際に行ってみて“あ、こんなところもあったね”となることもあるので、本当に散歩しながら撮っているみたいな感じなんです。――さあ、続いてこちらです。これもまたボケ感がすごくきれいですが、どんな1枚でしょうか?
中島:これは何の花だったか...ツバキかな? こういう垣根がばーっと続いていたんですが、いっぱい咲いている中の1つだけにフォーカスを当てたくなって。この子だけちょっと葉っぱに隠れていたんですよ。なんだかそういうところを見てあげたいなと思って、焦点を合わせましたね。なのですごく奥行きが出ている写真になったと思います。――何を撮るか、どこで撮るかという点において、機材選びのほうにもこだわりがあるかなと思うのですが、どういった選び方をされていますか?中島:そうですね。何があってもいいように、ひととおりレンズは持っていくようにはしています。だからカメラマンさんと格好が変わらないといいますか、カメラバッグをぶら下げて、大荷物で撮影しているみたいなことも多いですね。――いっぱい持っていくんですね。人によってはこの一本だけっていうこともあると思いますが。中島:このときは朝の光を撮るっていうことが決まっていたので、割と限定していたと思います。でも実際にどんな画角になるかわからなかったりもするので、それでも2本くらいは持っていきますね。――さあ、お次に行きましょう。こちらも同じく、オールドレンズとの組み合わせですね。
中島:朝の光がやっぱりすごくきれいだったのと、あんまり信号が休んでるところを見たことないなと思って撮りました。普段自分が見ないようなところに視点を合わせたかった、という1枚ですね。――先ほど、レイアウトや構成にもこだわっているというお話がありましたが、編集部の方から、なんだか中島さんが写真だけでなく編集面でのスキルもアップしていますよっていうことを聞いております。中島:いや、なんでしょう、例えばそうですね、色をもっとこう出したいとか、こういう載せ方のほうがいい、みたいなところまで最近はちょっと意見を出していますね(笑)。編集部の方の“もう何をやってもいいですよ”って言ってくださるところに甘えて、いろいろなこだわりを出させていただいている感じです。ただ、レイアウトもですが、どんな写真を撮るかということ自体も、たまに僕がマニアックに振り切りすぎるときがあるので、そこは手綱を握ってもらって「もうちょい一般向け、もうちょい一般向け...!」みたいなことはしてもらいながら進めています(笑)。――もっと振り切りたいんだけど、なんていうところもあるんですかね(笑)。中島:そうですね(笑)。――さあ、続いてのお写真です。こちらは夕方の光ですね。
中島:はい、夕方になってきましたね。これはすごく白飛びしていると思うんですけど、“もう白飛びしちゃってもいいや!”みたいな気持ちで撮影しました。優しい西日の光に包まれた橋を撮った1枚です。隅田川に行ったときでしたね。――水のきらめきもきれいな1枚ですね。さあ、お次まいりましょう。こちらはまた特徴的な構図で。
中島:これは、それこそ本当に“自分が普段見ない視点”と先ほど言ったようなものを表現しました。散歩しながら公園を訪れたんですが、そこにあった柵がすごく低かったんですよね。だから自分も低くなってみたら“あ、ここから覗(のぞ)くスカイツリーも面白いな”と思い撮りました。こうやってたまに構図で遊んだりすることもあります。――よくそのアングルを発見しましたね。中島:僕はちょっと背が高いほうなので普段きっと見えていないものもあると思うんです。だから歩きながら撮るときは“なんか面白いところないかな”って周りをキョロキョロしちゃいますね。――たしかに見方が偏ると、あまりバリエーションが撮れなかったりしますもんね。中島:そうなんです。“連載”という意味でも、そういう構図のバランスだったりとか、撮った写真のバリエーションみたいなのはちょっと考えています。“こんな写真もあったほうがいいかな”みたいなことを一応頭に入れながら撮影しているというか。だから多分、さっきの“僕の編集面でのスキル”というのは、編集部はそういうことをおっしゃっていたのかな、エディターとしての脳みそというか。――お次に行きまして、船と橋。すごいタイミングですね。
中島:これはずっとこの赤い船をぼーっと見ていたんですが、ちょうど赤い橋とマッチした瞬間を撮りました。――同系色の橋と船が重なることも珍しいですよね。中島:なかなかなかったんですよ。だから“ああ、なんかかわいい!”と思って撮った1枚です。
――こういった偶然の出会いもまたスナップの醍醐味でもありますよね。中島:そうですね。“この場所に行ってこれを撮ろう”と頭で考えていても、基本的にはそのとおりにならないことのほうが多いなと実感しています。実際にはこういった偶然性に目がいってしまうことが多いですよね。――偶然の出会いもありつつの撮影ですが、そういった写真のタイトルや紹介文もご自身で書かれているそうですね。どのように入稿されているんですか?中島:撮った写真を見返して“これを撮ったときにはこう思ったな”ということを書くようにしています。この写真や他の写真についても言えることだと思うんですが、タイトルがなかったらちょっとぼんやりすると思うんです。でも逆に、撮った人がつけたタイトルが載った写真だからこそ、その写真が“そう見える”という面があるんじゃないかと。だからタイトルにも、実は写真にとってすごく強い力があるなと思っていますし、自分自身で、自分の世界を出すようにはしています。――写真そのものだけではなく、タイトルにも注目していただきたいですね。中島:他にも毎回、どうやって撮影したかっていうカメラの設定やレンズなどをまとめた「Exif情報(撮影時の設定などの情報)」なんかも、自分でメモして送っています。地道な作業(笑)。――本当に、制作に本格的に取り組まれてますね。中島:やってますね(笑)。――お次まいります。さあ、夜になりました。
中島:そうなんです。きれい〜! あ、きれいとか言って、自分で撮った写真なのにごめんなさいね(笑)。――テールランプが尾を引いてるのがすごく印象的な1枚ですね。中島:これ難しかったんですよ、歩道橋で撮っていたんですが、ここにも書いてあるように、シャッタースピードが2秒分の1なんですね。――2秒どうやって止めていたんですか?中島:歩道橋の欄干にカメラを置いていたんですけど、歩道橋って人が歩くたびに実はちょっと揺れるんですよ。だからこれは何枚か切った中で、奇跡的に車のテールランプがきれいに写った流し撮りの1枚です。プラス、僕はフィルターワークもすごく好きで、サブタイトルに書いてあるとおり「ブラックミスト」というフィルターをちょっと入れたりもしています。――光がちょっとほわっとするものですね。中島:はい、点光源がちょっとほわっとする効果があるフィルターなんですけど、そういうものも使って遊んだりもしますね。夜と日中でこれだけ光の印象が違うからこそ楽しいですよね。――ちなみにこちらでは、16-35mmのズームレンズを使用されているようですが、レンズ選びには、何かこだわりや決めるポイントはありますか?中島:基本的にはやっぱりその場所とかシチュエーションで画角や焦点は考えるんですけど、新宿での撮影ではシネマティックに撮りたいなという気持ちがありました。僕の印象では、ドラマと映画では撮り方に違いがあるんです。ドラマは結構カットを割って人物に寄っていくんですけど、映画的な見せ方って、引きでずっと定点だよなというのが僕の中にあって。その視点で撮りたくて、このときは16-35mmという広角ズームレンズを持っていきました。――広く撮れるようにということですね。次にいきまして、これは半々ですね。
中島:そうなんです。これは見事にスプリット(分割)していた地面がありまして。さっきの視点の話じゃないですけど、足元もこうして改めて見てみると面白かったりするなっていう。――思わぬ出会いがスナップ撮影のまた楽しいところではありますが、スナップが楽しいなというふうに思ったきっかけは、何かあったんですか?中島:もともとは広く景色を撮ることのほうが多かったんですけど、やっぱり『GAROU』をやらせていただく中で、自分にしかない視点というものは絶対にあると思いましたし、それを皆さんにお伝えできることの楽しさに気づきましたね。“あぁ、こうやっていろいろ見て回りながら撮るのも楽しいんだな”って。連載をすることで培ってきたそういう何かが自分の中にあると思います。――連載を通じても、カメラの楽しさが思う存分皆様に伝わっていると思います。中島:しゃべりすぎてるかな、大丈夫ですかね(笑)。
ロンドンでの撮影を経験して
――ここからは、写真集についてのお話をお伺いします。昨年、メンズノンノ編集部から発売した自身の1st写真集『Hue I am』の表紙です。こちら皆さんいかがですか、この大きな画面でご覧いただいて。
中島:すごいですね。僕も感動します、こんな大きな画面!――こちらの写真集、どんな一冊でしょうか?中島:メンズノンノを卒業するにあたっての集大成として、8年間ずっと一緒にやってきたメンズノンノチームと一緒に作りました。もうメモリアルで、なんて言いますか、これが作れてよかったなという。――こちらの写真集にはご自身の作品も収録されているとのことですが、最初に聞いたとき、いかがでしたか。中島:ウェブ連載とはまた違った緊張感でした。刊行されるものに“撮影・中島裕翔”として自分の作品が載ることを考えると、“おぉ...ちょっとしっかり撮んなきゃな”みたいな。それでロンドンに行って撮影をしたんですけど、やっていることはいつもの連載と変わらなかったんですよね。自分でカメラを持って街を歩いて、時間帯によって撮り方を変えて...という。だから緊張感もありつつ、楽しかったです。――ロンドンでの撮影ということですが、どういった話し合いや準備を撮影チームの皆様とされたんでしょうか?中島:行きたい場所を自分でもいろいろ探して、それをリファレンスとしてPDFにまとめて出したりしましたね。――もう本当に編集部顔向けの作業ですね。中島:そんなことないんですけど(笑)、そうしたほうが伝わりやすいかと思って。そしてそれを“じゃあここ行ってみようか”って取り入れてくださいますし、そんなふうにチームとはいつも話しています。
――それでは早速ロンドンでの作品を見ていきましょう。まずはこちら(Photo 01)です。中島:これは撮影初日のビッグベンですね。天気がよくて空がきれいでした。ちょうど僕らが行った5日間、すごく天気に恵まれたんですよ。で、そのロケを象徴するものとして、ちょっと1枚撮っておきたいなっていうことで押さえました。ロンドンってもう少し雨が降っているイメージだったんですけど、すごく気持ちよかったです。――さあ、お次(Photo 02)も見てまいりましょう。ユニオンジャックですかね。中島:そうです。これはお昼ご飯を食べて、ちょっとみんなでまどろんでいる間に、僕だけひとりでプラーっと近くを歩きに行ったときですね。このビーチの近くの商店街に工事現場の足場のようなものがあって、そこにこの半透明なユニオンジャックがいっぱい並んでいたんです。これを透かして何か撮れないかなみたいなことを考えてシャッターを切りました。――このフレームは足場なんですか?中島:そうなんです、これ足場なんですよ。だからカメラ自体のフレームだけじゃなくて、こうして写るものによってフレームを作っていく遊びもすごく面白いなっていう1枚ですね。――ご自身の写真が掲載されるにあたり、写真集の編集作業にもかなり携われたとのことですね。中島:レイアウト作業など、普段編集の人って本当にこんなことやってるんだなと思って勉強になりました。“写真を撮られて・撮って、あと任せます”っていうのもいいと思うんですけど、僕は自分の作品を載せるのであれば、ちゃんと関わりたいなという気持ちがあって。特に写真集の場合は「色校」という、印刷物の色を見る作業があるんですけど、それに参加させていただいたりもしました。例えば“ここの緑と紫のフリンジ、ちょっと抑えてください”って言ったりとか(笑)。そういうところまで細かくこだわりをもってやりました。――おぉ〜! 色になると、ウェブと紙では考えることがまた違ったりしますからね。中島:全然違います! だからすごく勉強になりましたね。あぁ、この紙だとこう出るのかとかプリントによっても違いますし、本当に尽きない作業でした。――お次(Photo 03)にまいりましょう。こちらも光や色味が印象的な1枚ですが、この写真集の『Hue I am』というタイトルには、色相を表す『Hue』という言葉が使われていますよね。このタイトルに込められた意味を教えてください。中島:タイトルもすごく考えに考えました。まずは、集大成とさきほどお伝えしましたが、自分自身が表現されているということが大事だなと思ったんです。英語で“自分というもの”を表す言葉として「Who I am」がありますよね。そして、僕が写真好きだからこそ、それにまつわる用語をそこにうまく絡められないかなと考えたときに、“Hue”という言葉があったと思って。この写真集を通していろんな色相の僕に皆さんが出会ってもらえたらという意味を込めて、造語ですけど『Hue I am』にしました。――そんな強い思いが込められたタイトルだったんですね。中島:恥ずかしいですね、こんなに自分のこだわりをお見せするのは(笑)。――それを直接聞けるのが本当にうれしいです。さあ、お次(Photo 04)の1枚見てみましょう。夜のシーンになりました。中島:これ好きですね〜。――歩道を渡っている人たちですね。中島:そうですね。さっきの偶然性みたいな話ですけど、本当にこういう瞬間を撮るのが面白いです。これはみんなで夜ご飯を食べた後、ホテルまで歩いて帰っている道の途中でたまたま撮りました。もう今日は特に撮影しないね、みたいな感じだったんですけど、カメラをぶら下げてはいたので“え、この逆光きれいかも”と思ってとっさに撮ることができました。ちょうど歩道を渡ってる人がいましたが、人の動きを感じるのもすごく楽しいんですよね。普段はない視点ですが、人が歩くことでここはこう写るよねというような。その加減のいいところを待って撮るのも面白かったですし、逆光が相まってすごくきれいでしたね。――写真を撮るときには、そのシーン全体を見ていますか? それとも人の動きを見ることが多いですか?中島:うわー、場合によると思います。だけど全部見ると忙しくなっちゃうんで、どっちかに集中するときはあります。――とはいえ、先ほどもお昼食べてるときにたまたま見つけて、今度は夕飯後の気を一瞬休めた瞬間に...。中島:なんかそういうときのほうがね! こう、いいものが撮れたりするのかもしれないなっていう。――それもまた、あるあるですよね。中島:そうですよねぇ。――お次(Photo 05)の写真を見ていきましょう。こちらもまた夜ですね。中島:夜ですね、はい。やっぱりこの、日本では見ない歩行者用の“ちょっと待っててくださいね”という電光掲示板がすごくかわいくて。少しモダンな撮り方をしてみました。――この構図がまたおしゃれですね。中島:そうですね(笑)。スマホをあえて入れるっていうことをしています。――さあ、お次(Photo 06)まいります。こちらはどんなシチュエーションですか?中島:これ、映画館なんですよ。すごくクラシックな映画館があって、席一つ一つにこういうテーブルとランプが置いてあって。その奥行きを出すために、ここでは縦で撮りましたね。――縦で撮るか横で撮るかというのも、いろんなシチュエーションによってその場で変えていますか?中島:変えますね。横のほうがきれいに見せられるかなとか、縦のほうが奥行きが出るなとか。やっぱり自分が出会ったそのシチュエーションごとに変えている気がします。――こちらの写真もそうですが、暗いところでの撮影ではカメラの設定などで何か気を使っているポイントはありますか?中島:僕は高画素モデルを使っているので、画素数が増えれば増えるほど結構ブレにはシビアになってくるんですよ。なのでシャッタースピードは気をつけるようにしていますね。でも、ISO感度を上げてもそこまでノイズが出ないモデルでもあるので、そちらのほうでちょっと明るさを担保したりもしていて。だから、いろいろ組み合わせてますよね。――このあたりはもう本当に、カメラそのものの進化のおかげで撮れるものも増えてきたなと。中島:いや、感動しますね、本当に。だから“すごい! 全然大丈夫だ! ありがとう!”と思いながら撮りますよね、そういうときって(笑)。――ものによってはカメラを今まで触ったことないよという方でも、本当に挑戦しやすいですよね。中島:挑戦しやすいと思います! 本当に多分、皆さんが思っている以上に自分の思いみたいなものを自由に撮ることができるので。めちゃくちゃいいと思いますね。――皆様にも、いろいろカメラや写真を楽しんでいただきたいですね。中島:そうですね、楽しんでほしいです!――今回はロンドンでのロケということでしたが、海外へは荷物の制限がありますよね。機材はどのように選定されたんでしょうか?中島:このときは、カメラは2台持っていって。でも、今日つけている24-70mmとか、16-35mmのレンズとかは、やっぱりこれだけでもちょっと大きいですよね。なので、オールドレンズを混ぜたりして、いろいろ持っていけるようにしました。最初は海外に自分の愛機を持っていくのがちょっと心配で。“大丈夫かな? 盗まれたりしないかな?”みたいな気持ちになるじゃないですか(笑)。――そうですね、つねにその心配はあります。中島:だからちょっと怖かったんですけど、思い切って結構いろいろ持っていきました。――実際に持っていってどうでしたか?中島:やっぱりあると助かりましたね。引きのレンズ1本で、あとでクロップすればいいかっていう考えもあるんですけど、できるだけ現場レベルできれいなものにしておきたいとなると、自由がきくレンズがいいなって思いますね。きっとSonyさんにも、自由度の高いレンズがたくさんあると思うので、僕ももっと使っていきたいです。――それでいうと、やはりズームレンズは便利ですね。中島:ズームレンズ最強ですね。50-150mmとか!――そうですね、触ったことありますか?中島:いえ、まだないんですよ。使ってみたいです! きっと感動しますよね。――ぜひ! 改めまして、この海外での撮影というものは全体的にいかがでしたか? 国内で撮るのとはまた違う雰囲気でしょうか?中島:違いましたね。日本は自分が見慣れてしまっているものが多いというのもあるんですけど、ロンドンでは建物がすごくおしゃれに見えて。だからそんなに気負わず、適当に撮った写真がすごくいい、みたいな場面も多々あったんですよ。本当に狙って狙って撮るような作品づくりももちろんいいんですけど、さっきもお話ししたように、意外と偶然撮れたものがよかったな、悔しいな、っていう(笑)。フォルダを見直していて、そういった偶然性がたくさんあったと言いますか。――あまり気負わないで撮れたのですね。中島:海外のほうが、そのハードルがちょっと低いような気がしています。あと、ロンドンは色がきれいな街でしたね。人が身につけている色もそうですし。僕の写真集に入っている作品の中で“おばあちゃんの後ろ姿”があるんです。ピンクとか黄色とか、いろんな色を使っているおばあさまで、あぁ色がかわいいなって。だから滞在中は基本的に人に話しかけるようにして、ちょっと撮らせてもらったり、みたいなこともしました。――話しかけたんですか?中島:はい、少し緊張しましたね、やっぱり(笑)。でもそういうことがなんだかすごくフランクにできる街でした。ただ、撮れるものは違うんですけど、撮影するうえで大事にしていることはどこにいても一緒かなという感じはします。――今後こんな国で撮ってみたいなというところありますか?中島:ヨーロッパにあまり行ったことがないのですが、一度国際映画祭で訪れたベルリンには、また行きたいなと思います。そのときはなかなかのスケジュールで、1泊3日だったんですよ(笑)。だから全然写真も撮れなくて。もうちょっと堪能したいですね。
これからも、“表現すること”と向き合っていきたい
――ここまで様々な作品を見せていただきましたが、中島さんが撮りたいものや表現したいことというのは、今後変わっていくんですかね。中島:どうなんですかね...自分の中の“光にフォーカスを当てたい”という、そこの軸は多分ぶれないと思うんですよ。ただその中で、視点が変化していくのかなとは思います。カメラを向ける場所だったり、自分が見る場所だったりっていうのはどんどん変わっていくし、カメラもこれだけ進化しているので、おそらく表現方法も変わっていくと思うんですよね。いい変化は積極的に取り入れながら、今後も撮っていきたいなと思います。――撮影に取り組む姿も新しくブラッシュアップされていくということですね。また機材の力や写真を撮る視点というのもありますけれども、やはり中島さんにとっては、ワンチームとして一緒に働き、つくり上げていくメンバーもかなり重要ですよね?中島:僕にとって本当にありがたい存在ですね。こういった会場に来て、カメラが大好きな皆さんに向けてお話しする機会も僕は初めてで、本当に興奮してるんですよ! 普段はマニアックさが出すぎないようにちょっと自制しているところもあったんですけど(笑)、ここに来られてすごく光栄ですし、それもメンズノンノチームのおかげでもあります。本当に僕のやりたいことに対して“思う存分にやってください!”って言ってくれるので。じゃないと多分連載もできていなかったと思いますし、僕のマニアックさを知っているからこそ、そういう点を引き出してくれるのがすごくありがたいんで、今後もウェブ連載『GAROU』でいろいろ変化を見せていけたらなって思うんですよ。それで、昨年まではストリートでのスナップをお届けしていましたが、実は今年に入ってリニューアルをしていまして、今はスタジオワークにも入っています。例えば、1回目では“物撮り”をしたりとか。――はい、商品撮影ですね!中島:そうです。そして2回目はセルフポートレートを撮るためにライティングを学ぶという、武者修行編みたいな感じになっていますので、カメラやライティングにご興味のある方は、ぜひお越しください。ウェブなんですけどね、あの、“お越しください”!――ウェブ上でぜひ! そういった新しい挑戦なんかも楽しみにしております。さて、新しい挑戦という意味では、実は最後にひとつ大きなニュースがあるんですよね?中島:そうなんです! ありがたいことにですね、私がやってるウェブ連載の『GAROU』が...“リアルGAROU”として写真展になります!(拍手!)――皆様、リアルの現場で体感いただけます!中島:場所が『ソニーイメージングギャラリー銀座』ということで、そこで写真展を今年の夏に開催予定ですので、ぜひお時間ある方はお越しください!――リアルで開催できるのは本当にうれしいですよね!中島:本当ですよ! だってそれをめざして、実際の画廊のようなデザインにしていたところがあったんですから。本当に写真展ができるんだっていう、もう喜びでいっぱいです。――そうですね、しかも噂によるとご自身の肖像も?中島:あります、もちろん。すごくすてきな場所だと思うので、いっぱい飾りたいなと思います。――この展示についても詳しい情報は今後少しずつ公開されると思うので、皆様足をお運びいただけたらと思います。中島:はい、楽しみにしていてください!――まだまだお話を聞きたいところではありますが、残念ながらお時間となってしまいました。ぜひとも最後にメッセージをいただけませんでしょうか?中島:いや、もう、写真撮りましょう! 自分の表現したいものが自由に形にできる時代って、本当にすごいことだなと思います。カメラや写真、映像を通して表現するということを広げていくと、自分の世界が、日常が、見る世界が変わっていく気がするので、ぜひ皆さんも、カメラを通して人生にもうひとつ楽しみを増やしてほしいなって思います。今日はありがとうございました。――ありがとうございました。今回は、俳優の中島裕翔さんをお招きして、中島裕翔×メンズノンノ『GAROU』スペシャルステージをお届けいたしました。皆様もう一度、大きな拍手でお送りください。ありがとうございました。中島:(歓声に手を振り)ありがとうございました。
After Talk!セミナーを終えた控室で、興奮冷めやらぬ裕翔さんにインタビュー!
MEN’S NON-NO(以下、M):ステージ、お疲れ様でした! 初めての本格的なカメラのイベントでの登壇、どうでしたか?中島:大感動ですね。大感激! こんなふうに、自分がやってきたことがどんどんつながっていく楽しさを感じられるのって、すごく幸せです。ありがとうございました。M:地元でカメラを買って、独学で試行錯誤していた少年の頃の自分に教えてあげたい?中島:本当にそうですよ! ぼんやりと、こんなことができたらいいなって『GAROU』での撮影のときも話していましたけど、実際にこういうカメラの大きな祭典におじゃまできて、しかも写真展につながるというのは...すごい! ちっちゃい頃からの夢のひとつが、ようやく現実になってきているんだなと実感した!M:カメラが好きという共通点のある人たちが集う場ということで、いつも以上に早口だった気がします(笑)。中島:普段のカメラに対する“マニアック中島”が全開になりましたね(笑)。話していて、客席の皆さんに“伝わっている”という手ごたえがあってすごくうれしかったので、惜しげもなく、ぶわーってしゃべっちゃいました(笑)。ステージが1コマ35分と聞いていたんで、“えっ短い!”って思って詰め込めるだけ詰め込みましたが、もっといけます!M:でも本当に楽しそうで、短い時間でもカメラ愛が伝わってきました!中島:よかったです。カメラに対して持っている自分のワールド全開でできました! でも、カメラが好きな方々に響いてほしいという気持ちだけでなく、ちょっと難しいなって思っている人が一歩踏み出すきっかけにもなったらいいなと思ってお話ししました。M:セミナーの中でも、最近のカメラってよくできているから、初心者でも思ったよりうまく撮れる...という話もしていましたよね。中島:そうそう、カメラを始めたばかりの頃に自分が同じように思ったことがあるからこそ、これから使ってみたいと思っている人や、ちょっと尻込みしている人に、もっと興味を持ってもらいたくて。Sonyのカメラも、幅広い層のユーザーが使っているだけあって、手に取りやすいと思うんだよね。突き詰めればいくらでも深掘りできる世界だけど、まずは「こんなにきれいに撮れるんだ! 楽しいな!」っていう感動を味わうところからかなと。だから、機材や細かい設定なんかの話以外にも、写真を撮るということの楽しさもお話ししたかったんです。M:裕翔くんきっかけで、カメラを始める人がいたらすてきですよね。中島:それは一番うれしい。カメラや写真の楽しさは、ステージの最後にお伝えした言葉に尽きるので、少しでも誰かの人生の楽しみみたいなものが増えることにつながるといいな。M:さて今回、これまで『GAROU』や『Hue I am』で発表した作品の話をするにあたって、自分でカメラフォルダを見返して、撮影当時のシチュエーションやエピソードの振り返りをしたということですが、何か再発見したようなことはありましたか?中島:改めてマニアックなことやってるなぁと思った(笑)。それをよしとしてくれるこのチームじゃないと出せない写真だったかもなっていうものが、今回のステージでご紹介した中にもいくつかあって。例えば『GAROU』パートの1枚目(タイトル:「春ランニング」)とか、大きな画面で見て改めて“いやいやピントそこしか合ってないんじゃん!”って自分に突っ込んでしまったけど、写真としてはやっぱり好きだし、むしろそこが自分らしさだよなと自分でも感じられたので、発表できてよかったなぁと改めて思ったり。今回、さすがSonyさんという感じで、モニターも動画配信用の4Kカメラも最先端のものが用意されていたのが圧巻で。そんな贅沢な環境だとさらに、自分のマニアックなこだわりがより鮮明に映し出される感じがして、感動しました。こだわりがあるほどいいなと自信になりましたね。M:思わず、自分で「きれい〜!」って言うひと幕もありましたよね(笑)。中島:そうそう(笑)。こだわった部分も全部大写しになるから、“うわースゲー!”って。自分の写真に対して、けっこう素のテンションで「きれい」って言っちゃった(笑)。M:細かい話になるけど、裕翔くんがもともと高解像度で作品を撮ってくれていたから、あのスクリーンサイズにも堪えうるデータとして納品できたというのもあります。中島:普段から高画素モデル(のカメラ)で写真を撮るようにしていますからね。そのバッファがある分、自分で編集するときにもけっこうデータをいじめられるので。まだ使い始めの頃に、画素数を落として撮ったものをレタッチしてガビガビになっちゃった経験があるので、基本的に“あればあるほどいい”“大は小を兼ねる!”と思っています。それでステージでもお話ししたとおり、手が伸びるのはRシリーズのような高画素モデルになるんですよね。暗いシーンでは使いにくくなることもあるけど、そういう場合は別のモデルとあわせて使い分けています...って、ちょっとステージの延長戦みたくなってきた(笑)。M:またこういった機会があるといいですね。でもその前に、ステージでも発表したとおり、今年は“リアルGAROU”である写真展も決定しました!(拍手!)中島:(拍手!)いや〜、本当にうれしい!M:最後にそちらへの意気込みをお願いします。中島:はい! 今回のご縁がつながって、『ソニーイメージングギャラリー銀座』というすばらしい場所で展示をさせていただけるので、僕も本当にわくわくしています。それに向けて今は、どういう場所で撮るのか検討を重ねているところで、実際に自分もロケハンから参加させてもらっています。いやぁ楽しいですね...やっぱり自分が参加できる工程が増えれば増えるほど思いがのっかっていくなぁっていう。写真集制作のときに感じた気持ちと一緒なんですが、いろんなプロセスに関わらせてもらうことでより思い入れや愛情も強くなるし、勉強にもなります。それでまた知識が深まって、さらにやりたいことが増えていく。だからすごくいい機会だなと思って、もうすでに、編集部へのムードボードの提出にはじまり、数日間にわたるチームとのロケハンにがっつり同行したり、データを細かく整理したりと、本格的に向き合っています。あと、僕自身の肖像も展示したいと思っているので、どういう衣装がいいかも考え中。すてきな内容にするべく絶賛アイデアを練っているところなので、楽しみに続報をお待ちください。
中島裕翔×MEN’S NON-NO『GAROU』写真展、ついに開催決定!
展示に関する告知は今後、下記のInstagramアカウントやメンズノンノウェブ『GAROU』などでお知らせします。●WEB SITE『GAROU』●Instagram@yuto_nakajima_special@mensnonnojp@iam_yuto_nakajima
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