コマーシャル・フォト連載
「Create My Book」CP+2026出張編
金村美玖と写真の「今とこれから」

日向坂46 金村美玖 氏

コマーシャル・フォト 2026年5月号より転載

カメラと写真映像のワールドプレミアショー「CP+2026」で金村美玖が、Sonyブースのステージに登壇。金村美玖と写真の「今とこれから」をテーマにトークショーを行った。今回のCreate My Bookでは、その様子を紹介する。

※本記事はCP+2026 Sonyステージで行われたセミナーの内容を抜粋、編集したものです。

金村美玖(かねむら・みく) / 日向坂46 2002年9月10日生まれ 使用カメラはソニーα7 III、CONTAX ARIAなど。日向坂46のメンバーとして活動しながら、いちクリエイターとしての活動を目標に写真を撮り続けている。2026年4月3日(金)〜5日(日)に開催される、都市型音楽フェス『CENTRAL MUSIC & ENTERTAINMENT FESTIVAL 2026』にてCENTRAL×金村美玖による展示企画「記憶の欠片」を開催。

金村美玖、初めてのCP+参加。感想と、カメラを購入したきっかけからトークがスタート。

―― 今日は『コマーシャル・フォト』連載の話も交えて、色々とお聞きできればと思います。早速ですが今回、金村さんはCP+(イベント)にお越しいただくのは初めてということで、午前中に会場を回られたそうですね。金村:午前中に各ブースを回らせていただいたんですけど、人がたくさんいて!今日は平日で、初日だと思うんですけど、こんなにも盛り上がりがすごいのかとびっくりしております。あと、Sonyブースも見させていただいたんですけど、こんなに多くのモデルさんやたくさんの被写体があって撮影を楽しめるというのが、私もすごく心がワクワクしました。―― 平日の中、(ステージ会場にも)こんなにお集まりいただいて。金村:こんなにたくさんいらっしゃると思っていなくて、少し緊張しているんですけども、徐々にお話しできればと。―― 連載でもありますが、金村さんは、ずっとSonyのα7 IIIをお使いで、いまお手元にもあると思うんですけど、いつ頃からお使いなんですか?金村:確か2020年くらいに購入したので、5〜6年愛用しています。―― どういったところが気に入っていますか?金村:私の手に馴染んでしまって、「これ以外使えない」くらい愛用しているんですけど、最初に買ったのは違う一眼レフカメラだったんです。Sonyさんのα7 IIIを使い始めてから、グッとカメラ沼にのめり込んだというか。画質の良さもありますし、当時はまだレンズを付け替えた経験もなかったんです。今は40mmを付けていますが、望遠だったり、単焦点だったり、Gレンズだったり、レンズを買い足すたびに楽しみがどんどん増えていって、それからSonyの沼にハマっています。―― Sony沼にハマって、ご縁があって本ステージに。金村:このようなご縁がいただけて、とっても嬉しいです。自分の好きを追求していいんだなという考えに至ったというセルフポートレイトへの挑戦―― 具体的に連載の話に入っていこうと思います。今回、連載から3つテーマを抜粋してお話を聞きます。今、映っているものは第11回目の「セルフポートレイト」の回ですね(P085上)。テーマが「私は私に期待をしすぎない」。金村:かっこいいですよね。私は大学で写真を学ばせていただいたんですけど、卒業制作としても自分のセルフポートレイトを撮ったりしていて、馴染みのある撮影ジャンルなんです。この時はまた一味違った自分の姿をおさめたいなと思って、自分と向き合う回になったかなと思います。

コマーシャル・フォト 2025年8月号 より

―― これはテーマ「私は私に期待しすぎない」を先に決めて撮られたんですか?それとも撮っていくうちに浮かんだものですか?金村:先に写真を撮ってから文章を考えることが多いです。先ほど大学で色々写真を学ばせていただいたと言ったんですけど、その当時も色々な写真家さんの写真集を見て、こうやって自分の主張を写真に乗せるのがとても良くて憧れていたんです。ただ、見るたびに自分のハードルがどんどんあがるというか。これを超えたいとか、こういう風になりたいとか、目標を持ってしまうとなかなか自分に枷をかけてしまって、それがプレッシャーになっていたのが自分の中であって、それも込みで自分に期待しないと自分に言うことで楽になりましたし、より表現の幅が広がったというか。もっと色々なことしていいんだなとか、自分の好きを追求していいんだなというところに至ったのがこのセルフポートレイトの回だと思っています。―― 素敵な写真が多くて、私も写真学生だったことがあるんですけど、良い写真って本当にいっぱいあるので、「これを超えられるか」と考えてしまう時期もありました。でも撮っているうちに撮らないと変わることができないというのもあったと思うので、そういうお話しも含めてとても素敵な回だなと思っていました。金村:同じように思っている方もいらっしゃるかなと思っていて。趣味でカメラを始めて、作品にしたいけど自分の写真に自信が持てなかったり、これを世に出すのをためらってしまう時があると思うんですけど、まずはいっぱい撮って、自分を信用してあげてほしいし、そこまでハードルを高くせず期待せずやるのも一つの手かなと思います。―― 素晴らしいお話をありがとうございます。具体的にセルフポートレイトはどうやって撮っているんでしょうか。金村:いつもカメラリュックを持っていて、カメラと三脚で撮影しています。ホテルの一室に、三脚をセットしてSonyのリモコンを使いながら撮影をするスタイルでやっております。

―― 構図決めて自分が立って、何回か撮って。金村:何回か撮って明るさを調節したり、小道具を使ったり使わなかったりして選んだ一枚です。―― この時の撮影はロケですか?金村:そうです。これは横浜の海で撮っていて、横浜ってブルーが特徴的だなって思っていて、私は青い写真にすごく惹かれる部分があるので、そこの編集というか、きれいに青が出るようにいつも思っています。―― そうですよね。金村さんの写真を拝見していて青みや透明感がとてもきれいだなと思っていました。特に左上の写真がグラデーションやトーンは暗いんですけど、明るい部分がよく見えて印象的でした。編集にもこだわっているんですね。金村:ありがとうございます。思えば確かに青い服ばっかり持っているんだと思います。全部私服なんです。全部そういうのを考えるのも好きで、企画から。―― それも作品の一つですもんね。金村:ロケ地も、私服とメイクも全部やるというのが作品を作り上げている感じがしてすごく楽しいです。―― ありがとうございます。撮影は全部同じ日に?金村:こちらはさっきと同じ場所です。鏡越しに撮っている写真になります。昼間だったと思います。これはオフショットで、別の日で全く違う旅先での写真なんです。青森県の奥入瀬に一人旅に行って、とても良かったです。新緑の気持ちがいい緑と青を感じながら一人旅をしていました。これも三脚を立てて撮っているんですけど、やっぱり観光地なので人もいますし、なかなか恥ずかしいのでは?と思われるかと思うんですけど、経験を重ねるごとにだんだん慣れてきました。

α7 III,FE 40mm F2.5 G 40mm,F5.6,1/250秒,ISO250

―― そう言いますよね。何度もやっているうちに。金村:セルフポートレイターあるある…なのかはわからないですけど。ぱぱぱっと現地で(セットを)作れるようになりましたね。「モノクロで撮る時は光を見つけるのに苦戦しながらも、そういう目をつくろうと思って 挑んでいます」―― ありがとうございます。次のテーマは「モノクロ」の回で情報を減らすことになっています。硬派なモノクロ写真ですごく好きでした。やっぱりモノクロ写真を撮ろうという意識で撮られました?金村:これ私のミスなんですけれども、実は最初カラーで撮影していて(笑)。カラーで撮ったあとに、白黒に変換するっていう一手間があったんですけど、でももともと白黒で出そうとは思っていました。当時はなぜかカラーで撮ってしまったんですけど、講評していただいた薄井一議先生にも「見せたいものがブレている」というか、光をもっと強調するにはコントラスト強くする、とアドバイスいただいたので、次に撮る時は気をつけようと思っています。―― 難しいですよね。モノクロは。私も学生の時に普段から物を光と構図で見ろと先生に言われ続けていたんですけどやっぱり色の情報って強いので、なかなか難しくて苦手な分野だったんです。今回、薄井さんに講評していただいてそういう目で見るようになりましたか?金村:モノクロで撮る時は、私も光を見つけるのに苦戦しながらも、そういう目をつくろうと思って挑んでいます。本当にこのコマーシャル・フォトさんの連載で多岐にわたるジャンルを経験させていただいているので、毎回大丈夫かなと思いながら提出しているんです。この回は丁度日差しも入っていて晴れの日でもあったので光をみつけることもできて、写真にはなっているんですけど、私の今までのモノクロ写真の中だったらうまくいったなと。

α7 III,1/640秒,ISO160

―― 本当に素敵です。色を無くすと弱くなる写真ってもちろんあると思うんですけど、だからこそ色々伝えたいことがダイレクトに伝わるっていう。金村:初めての一人海外旅行で、韓国で撮影しました。色々不安もありながら、でも初めて行く街って新鮮じゃないですか。日本の風景とはまた違って見えて、だからこそ写真を撮る手も捗りました。新鮮な気持ちで撮ることができました。―― それはいいかもしれないですね。色で見るというより物を見ているというか、それ自体を見ている感じが伝わってくる。金村:懐かしいですね。―― ジャンルのプロとか第一人者の方が講評をされているのでコメントも良いんですよ。金村:嬉しいです。本当に嬉しいんです(笑)。いつも誌面を通して感想をいただくので直接ご挨拶をできていなかったりもするのですが、赤ペン先生を待つ子どものような気持ちでドキドキしながら見ています。的確にこういう風に直したら良いよと指摘してくださるので学びばっかりなんです。私が「(アンリ・カルティエ=)ブレッソンの写真に近づけたいです!」と言ったらロバート・アダムスも良いですよと紹介してくれたり。そういうのがいいですよね。先生と生徒みたいな。

コマーシャル・フォト 2024年12月号より

―― モノクロといえば有名な方ですね。金村:「決定的瞬間」がありますよね。憧れています。こちらがまだ見せていなかった今回の新しい写真です。 モノクロだと何気ない鉄骨とか柵も映えます。―― やっぱり目が変わるというかモノクロで写真を撮ろうという目になりますね。私は金村さんのモノクロ好きです。金村:嬉しい。褒められちゃった(笑)。レンズもオールドレンズでマニュアルで撮っていたので、ちょっとふわっとしつつ、より質感も濃く出ていると思います。演者であり、フォトグラファー。どちらの面も兼ね備えた金村美玖の強みを生かす。―― では3つ目。第16回はライブ撮影に挑む回でした。金村:これはなかなか力を入れましたね。全部の写真に。―― 我々は金村さんが(会場で)お客さんにバレないかどうかを一番ドキドキしていたんですけれども。金村:私は今、アイドル活動をしているのですが、後輩たちのライブに潜入する企画をしながら撮影をさせていただきました。ライブフォトに挑戦するのも初めての機会だったので緊張したんですけど、良い写真が撮れたかなと思います。

―― すごく良い写真。このライブ会場にいた方は?(観客席で手が上がる)金村:あー!ありがとうございます!いるねえ!気づいた?(笑)。気づいてない!よかった〜。―― ライブ撮影は初めてですか?金村:初めてでした。ステージ上でメンバーを撮ったことはあるんですけど、しっかり0レベルから撮影するのは初めての試みでしたけど、とても楽しかったです。興味のある分野でもあったので。―― ご自身も舞台に立たれているので、決めのカットの狙いがすごくお上手だと思っていました。どういうところに気をつけて撮られていましたか?金村:普段は演者として舞台に立っているので、私たちの目線からもスチルの方が見えるんです。今、狙っているなとか、ここは目を瞑らないようにしようとか、こちらの意識でもあって。それをどっちも兼ね備えている人ってなかなかいないのでは?と思うので、みんながかわいい、今写して欲しいと思っている瞬間を切り抜いてあげるのが一番の目標でした。―― これもクロスフィルターを使われている一枚です。金村:田辺佳子先生からクロスフィルターを効果的に使って、雰囲気を出してもいいかもしれない、というアドバイスをいただきました。曲によって雰囲気に合う場合とちょっとノイズになる場合もあると思うんですけど、事前にセットリストを見て、「こんなに好きになっちゃっていいの?」というしっとりとしたバラード調の楽曲でキラッと光らせて、彫刻のようにきれいになれば良いなと思って使用してみました。望遠から広角までちょっとずつ(レンズを)変えて、フィルターも変えて。普段撮ってくださっているスチルのみなさまへの感謝を改めてより感じました。

コマーシャル・フォト 2026年1月号 より

―― レンズ3本持って走るだけでかなり疲れますよね金村:重労働ですよ!もっと長いレンズを持っている方もいるじゃないですか。肩、強いなと思いました(笑)。この撮影はすごく楽しかったです。みんながかわいいのは大前提なんですけど、自分だったらどういう切り取り方するかを考えるのが楽しくて。色々なライブ写真を撮られている方のライブレポートを見るのが好きで読むんですけど、かなりハイキーにして遊んでみたり、フィルターでぼわんとぼかしてみたり。それぞれ独自の作風に出ている写真が多いジャンルだと思うので、私なりに遊んでみた、という挑戦です。想いを込めながら撮影の様子もYouTubeに上がっているのでぜひ。―― こちらは未公開写真ですね。これもクロスフィルターが入っていますね。かわいいです。金村:臨場感を出すためにお客さんの頭まで込みで入れたのがポイントかなと思っています。私、結構寄ってしまうんです。かわいいから(笑)。「一人ずつ撮りたい!」となるところをグッと抑えて、全体と雰囲気まで収めるというのが良い写真になったんじゃないかなと思います。この時α1 IIをお借りして使わせていただいたんですが、性能の高さにすごく驚きまして。本当にすごいです! 今使っているα7 IIIも気に入っているんですけど、プロ仕様のカメラを使わせていただくと、操作の各ボタンの配置も違いますし解像度も違いますし、AF機能の追従性能がありがたいです。ライブとかは常に瞳を追いかけているので。―― 集中できますよね。構図とか「今だ!」というところに。金村:そうです。まさにそこが感動しました。

―― α1 IIで撮る快感を覚えてしまうと。金村:まずいですね(笑)。この時の撮影テーマが「高速シャッタースピード」だったんですけど、シャッタースピードを早めて動きをしっかり止める、でした。今日もダンスを踊られている方を写真撮影できるブースもありますけど動きを止めたい場面があると思うので、こういう楽しげな雰囲気をおさえるためにも性能が高いカメラは本当に一台は持っておくべきだなと。でも、みんないい表情してくれていて、ファンの方にもすごく喜んでいただけて、私のファンだけではなく、この5期生たちのファンの方も嬉しいって言っていただけるのが私の幸せです。―― みなさんも金村さんに撮ってもらえるとは思わなかったでしょうね。金村:私は嬉しいんですけど、(メンバーは)より緊張したかもですね。メンバーには撮影することを明かしていたので、(金村が)いるなと思いながらパフォーマンスするのは結構プレッシャーだったかなと思ったんですけど、でも会場をちょろちょろしているのを見て誰だろうと思わせたら可哀想かなと思って。―― これもわかりやすくていい写真ですよね。これこそシャッタースピードが速くないとおさえられないシンクロ感です。金村:この時はWセンターの曲で、2人でソロダンスを踊っている風景なんですけど、躍動感も伝わりますし、映像で観ている時とまた違った一つのアートとして見ることができるというか。映像の切り出しもできるけど、やっぱり写真で止めるというのはまた全然違うものだなと感じます。この瞬間を押さえることでダンスがこんなにも揃っているんだというのもわかりますし、つま先がついていない浮遊している感じやダンスの躍動感が伝わるとても好きな写真です。

α1 II,FE 24-70mm F2.8 GM II 70mm,F3.5,1/400秒,ISO500

―― ありがとうございます。そして、ここからがα7 Vで撮影した写真です(P089文中)。こちらはどういうシチュエーションで撮影されましたか?金村:メンバーに「撮らせてくれない?」っていう連絡をして(笑)。この日一緒に遊びにいった後輩の鶴崎仁香ちゃん。メンバー内でもすごくカメラが流行っていて、みんな持っていたり、私がこうやって連載をしていることだったり、「#みくふぉと」という名前で投稿しているのも知ってくれていて、「ぜひ写って欲しい」と言ったら二つ返事で来てくれました。

α7 V,FE 28-70mm F2 GM 30mm,F2,1/160秒,ISO2000
α7 V,FE 28-70mm F2 GM 30mm,F2,1/160秒,ISO2000

今回、α7 Vを使わせていただくことで何を撮ろうかと思っていたんですけど、私が一番好きな分野がポートレイトでかわいい女の子を写したいなと。この日は夕方で、色味が色々入ってわかりやすいかなと思いまして。空とこの夜景とカフェの写真なんですけど、今使っているα7 IIIともまた質感が違いました。

α7 V,FE 28-70mm F2 GM 28mm,F2,1/160秒,ISO2000
α7 V,FE 28-70mm F2 GM 28mm,F2.2,1/160秒,ISO2000
α7 V,FE 28-70mm F2 GM 55mm,F2.2,1/160秒,ISO2000

―― 違いましたか。金村:違いましたね。どちらの良さもあるので、手軽さを取るか、自分がどういうカメラを選びたいかで変わってくるかなと思うんですけど、すごくお気に入りになりました。使いやすいですし、この4軸マルチアングル液晶モニター!便利です。―― 私もそれが目玉の一つだと思います。金村:4軸になっているので自撮りもできますし、Sonyならではのクリエイティブルックも、この子(α7 III)には搭載されていないので、撮って出しでも綺麗な仕上がりになるのが自分的にはわくわくしましたね。―― ちょっとこのα7 Vも展示されているのでお手に取っていただければ。金村:体験していただければ良さに気づくと思います。

―― 最後になりますが、これからフォトグラファーとしてどういった活動をしたいか、どういうものを撮っていきたいですか?金村:先ほども言ったかもしれませんが、ポートレイトを撮ることが好きで、私たちのグループにはたくさんのメンバーがいるので、メンバーたちを撮った写真の展示会を実現して、皆さんに見ていただけるような形で残すことができれば嬉しいなと思っています。…が夢のひとつで、まだ決定しているわけではないのですが。―― 実現を楽しみにしています。金村:もっと上達していきたいと思います。頑張ります。拙い喋りだったかもしれませんが、皆様ありがとうございました。

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